「小顔矯正って、どれくらいのペースで通えばいいんですか」——施術を始める前に、本当に多くの方からいただく質問です。
カウンセリングの最初に聞かれることもあれば、初回の施術が終わった後にぽつりと聞かれることもあります。「気になっていたけど聞きづらかった」と打ち明けてくださる方もいらっしゃいます。
それは、当然のことだと思います。時間も、費用も、生活の中で工面しなければならない以上、見通しを持ってから始めたい——それは誠実な感覚です。
ゆうき式 岡山では、3〜4週間に1回のペースで、まずは5〜6回。これを通い方の基本としてご案内しています。11年、約2万人の方と向き合ってきた中で、最も結果が安定するリズムだと、私の臨床経験から確信しているリズムです。
ただ、この数字は「ここまで通ってください」というノルマではありません。ご自身の身体が変わっていく感覚を、ご自身で確かめながら判断していただくための、ひとつの目安です。そして、その先の通い方は、人それぞれで全く違って構いません。
この記事では、なぜ「3〜4週間に1回・5〜6回」なのか、その医学的な根拠と、その先の通い方について、丁寧にお話しします。
まず、知っておいていただきたい身体の性質があります。顔を含む全身の骨格は、矯正で整えても、すぐに完全に定着するわけではないということです。
これは、骨そのものの問題というより、骨を取り囲む組織の性質です。骨と骨を繋いでいる靭帯(じんたい)、骨に付いている筋肉、それらを包んでいる筋膜(きんまく)——これらの軟部組織は、長年その方が使ってきた癖や姿勢の中で、「この位置が定位置だ」と記憶しています。
矯正によって骨格の位置関係が整っても、周囲の軟部組織はまだ「元の位置」を覚えています。だから、生活の中で少しずつ、元の位置に向かって引き戻そうとする力が働きます。これが、施術後に「少し戻った気がする」と感じる、その正体です。
これは矯正の効果が無いという話ではなく、身体が新しい配列を完全に記憶するには、時間が必要だという話です。
では、なぜ「3〜4週間」なのか。これには、結合組織(けつごうそしき)のリモデリングという生理学的な根拠があります。
リモデリングとは、組織が新しい状態に作り変えられていく過程のことです。靭帯・筋膜・腱(けん)などの結合組織は、外からの刺激や負荷に応じて、その内部のコラーゲン線維の配列をゆっくりと作り変えていきます。
このリモデリングの一区切りが、おおむね3〜6週間といわれています。矯正で整えた配列を、身体が「これが新しい定位置だ」と少しずつ覚え始めるのに必要な時間です。
逆に、この時期が完了する前に次の施術を入れても、組織はまだ前の施術の変化を消化しきれていません。「早く整えたいから毎週通う」というのは、感覚的には積極的に見えますが、生理学的にはむしろ非効率になります。
一方で、6週間を大きく超えてしまうと、せっかく整い始めた配列が元に戻る方向に進みやすくなります。「気が向いたときに思い出したように行く」では、変化が積み上がっていきません。
この「組織が消化しきり、かつ戻りきらない」窓が、3〜4週間の間隔です。早すぎず、空きすぎず。私が11年間、この間隔を基本にしてきた医学的な理由です。
次に、「5〜6回」という回数について。
これは、上のリモデリングのサイクルを、何回繰り返すと身体が新しい配列を安定して記憶できるかという、臨床経験に裏付けられた回数です。
1回の施術で整う変化は、まだ「点」です。2回、3回と重ねるうちに、その点が「線」になってきます。4回、5回と続けると、線が「日常の中での身体の癖そのもの」として、新しい配列に置き換わり始めます。
これは私の臨床で繰り返し観察してきたパターンですが、多くの方が4〜5回目の前後で、施術と施術の間に「戻りにくくなった」と実感されます。「以前は1週間で戻った感じがしたのに、今は3週間経っても戻らない」——そうおっしゃる方が、本当に多いのです。
これは、身体が新しい配列を記憶し始めたサインです。5〜6回というのは、この記憶が定着しきる手前までを、ひと区切りとした目安です。
もちろん、これはあくまで目安です。元々の歪みの蓄積が少ない方は3〜4回で十分に手応えを感じられますし、長年の癖が深い方はもう少し時間がかかります。5〜6回というのは「ここまでやれば、その先の通い方を、ご自身の身体感覚で判断できる状態になる」という意味で、私がご案内している区切りです。
5〜6回を経た後、どう通っていくか。これは、本当に人それぞれで構いません。実際、ゆうき式に通われている方の通い方は、見事にバラバラです。
毎月1回、メンテナンスとして通われる方。「整った状態を、できる限り長くキープしたい」とおっしゃる方が選ばれる頻度です。3〜4週間に1回のペースをそのまま維持されるイメージです。
3ヶ月に1回、季節の変わり目に通われる方。「日常生活で少しずつ蓄積する歪みを、定期的にリセットしたい」という方が選ばれます。月1回ほどの集中ケアは要らないけれど、年に数回は身体を整え直したい——というリズムです。
気になったときに、その都度通われる方。「普段は問題ないけれど、写真を撮る予定がある」「最近、噛みしめが強い気がする」——そんなふうに、ご自身の身体と相談しながら、必要を感じたときに来てくださる方もいらっしゃいます。
どれが正解、ということはありません。「いい状態をキープしたいか」「気になったときだけでいいか」「定期的にリセットしたいか」——ご自身がどうありたいか、その意思が、頻度の答えになります。
ここまで読んでいただいた方は、ひとつの疑問を持たれるかもしれません。「だったら、最初から月1回・6ヶ月コース、のようにパッケージで決めてくれた方が、お客様も分かりやすいのではないか」——と。
確かに、そう言えると思います。実際、そのようにコース化しているサロンも少なくありません。それぞれの考え方があると思います。
ただ、私がそうしないのには、理由があります。
身体の変わり方は、本当に人によって違うからです。 5〜6回でしっかり定着する方もいれば、4回目で「もう十分に楽になった」と感じられる方もいます。逆に、長年の蓄積が深く、7〜8回かけてじっくり整えていく方が合っている方もいます。
それを最初に「6ヶ月コース」と決めてしまうと、4回目で十分に整った方も、6回まで通うことになります。7回必要だった方は、6回で終わらせることになります。身体の側の都合ではなく、コースの都合に身体を合わせることになってしまうのです。
私は、それは違うと考えています。身体は、コースのために変わるのではありません。 だから、5〜6回を基本としてお伝えしながらも、最終的にはそのときどきの身体の状態を、お客様自身と一緒に確認しながら、これからの通い方を決めていきます。
——「いい施術だから通いたくなる」を11年守ってきた理由と、ここは同じ場所に立っています。
実際に、頻度についていただくご質問にお答えしておきます。
「2〜3週間に1回、もう少し早いペースで通った方が早く整いますか?」
先ほどお伝えしたとおり、結合組織のリモデリングには時間が必要です。早く通うことで結果が早まる、というものでは残念ながらありません。むしろ、変化を消化しきっていないところに次の刺激を入れることになり、効率的とはいえません。3〜4週間という間隔は、ゆうき式が経験的に最も結果が出やすいと確信している間隔です。
「忙しくて、2ヶ月空いてしまいそうです。それでも効果はありますか?」
問題ありません。2ヶ月程度であれば、整えた配列の一部は元に戻っているかもしれませんが、それまで積み上げた変化がすべて失われるわけではありません。身体は、一度経験した整った状態を覚えています。次の施術で、その記憶を呼び戻すような形で、また整えていけます。
「5〜6回終わった後、続けるか迷っています」
私から「続けてください」とは申し上げません。ご自身の身体を見て、続けたいと思われたら続けていただければと思いますし、一区切りつけたいと感じられたら、そこで一度終わっていただいて構いません。 気になったときに、また来てくださる方もたくさんいらっしゃいます。施術は、続けるためにあるのではなく、ご自身がより良くあるためにあるものだと、私は考えています。
最後に、ゆうき式 岡山が「通い方」についてどう向き合っているかを、5つの姿勢としてまとめてお伝えします。
i. 最初の5〜6回は、3〜4週間に1回をご案内する。
身体が新しい配列を記憶するまでの、医学的に裏付けられた最も結果が出やすいリズムです。
ii. 5〜6回を「ノルマ」ではなく「目安」としてお伝えする。
人によって必要な回数は違います。途中で「もう十分」と感じられたら、そのご判断を尊重します。
iii. 5〜6回の後の通い方は、毎回一緒に相談する。
月1回でも、3ヶ月に1回でも、気になったときだけでも、すべて正解です。「ご自身がどうありたいか」が答えです。
iv. パッケージ化・コース契約は行わない。
身体の側の都合をコースの都合に合わせることを、私は望まないからです。回数券を販売しないのも、同じ理由からです。
v. 「通わせる」ためのご提案は一切しない。
私たちは、施術の質と説明の誠実さで、来ていただける関係を作るだけです。来るかどうかは、いつも、お客様が決められることです。
頻度の話は、突き詰めると、施術というものをどう捉えているかの話に繋がります。
施術は、決められたコースを消化するものではなく、ご自身の身体と対話するためのものだと、私は考えています。だから、頻度も「決められたもの」ではなく、「身体と相談して決めていくもの」であってほしい。
3〜4週間に1回、まずは5〜6回。これは出発点としての、医学的に裏付けられた、ひとつのリズムです。その先は、あなたの身体が、あなたに教えてくれます。
——「いい施術だから通いたくなる」その一点で11年やってきました。頻度の話も、その延長線にあります。
*関連する記事として、第6記事「小顔矯正と美容鍼、どちらを選べばいいのか」、第9記事「ゆうき式が回数券を販売しない理由」も、併せてお読みいただけると、私たちの姿勢が立体的に伝わるかと思います。*
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