岡山で小顔矯正や顔の歪み矯正のサロンに通われたことがある方の中には、こんな経験をお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。

「施術を受けたあと、『今日契約するとお得ですよ』と言われて、回数券を買ってしまった」「最初は前向きだったのに、通ううちに気が向かなくなってきた。でも回数券があるから、通わないと損だと思って通っていた」「結局、回数券を買ったのに、途中で通わなくなってしまったことがある」——。

ゆうき式 岡山では、回数券の販売を、一切行っていません。これは「お得なプランがない」という意味ではなく、回数券という仕組み自体を提供しないという、私の意思的な選択です。

ゆうき式を始めて11年。海外サロンの総院長も務め、岡山と中目黒で日々お顔と向き合ってきました。その中で、私は一度も回数券を販売してきませんでした。これは集客上の戦略でも、流行りでもありません。施術というものの本質を考えたとき、どうしてもそうあるべきだと、私が確信していることだからです。

この記事では、なぜゆうき式が回数券を販売しないのか、その理由を、業界批判ではなく構造の話として、誠実にお伝えします。

CHAPTER 01

回数券という仕組みが、施術を「通わなきゃいけないもの」に変えてしまう

回数券を販売する仕組みには、悪意があるわけではありません。お客様にとって1回あたりの単価が下がり、施術側にとっては経営が安定する——双方にメリットがあるように見える仕組みです。

けれど、その仕組みが施術の本質をどう変えてしまうか——これを冷静に見ておく必要があります。

お客様の心の動きを追ってみます。多くの場合、まず施術を1回受けてみて、その手応えや雰囲気に期待を持たれます。すると、その場で「今日契約するとお得ですよ」と回数券を勧められる。お得感もあって、その流れで契約してしまう。——ここまでは、まだ「期待」の段階です。

ところが、回数券を購入した後、通い続けるうちに、心の構造が変わってくることがあります。

施術を重ねても、思ったほど効果を感じられなかったとき。施術者との相性が、今ひとつ合わないと感じてきたとき。日々が忙しくて、通うのが負担になってきたとき——本来なら「もう通わなくてもいい」と判断できる場面で、回数券があると、こう考えてしまいます。

「もう払ってしまったから、通わないと損だ」

この瞬間、施術は「良くなりたいから通うもの」から「払った分を消化しなければいけないもの」へと、性質が変わってしまいます。気は向かないけれど、回数券があるから通わないと——そんな状態になってしまう。あるいは、通わなくなって、買った回数券を無駄にしてしまう。

これは、回数券を購入された方の問題ではありません。人間として、極めて自然な心理反応です。一度支払ったお金を「もったいない」と感じる、サンクコスト効果(埋没費用効果)と呼ばれる、誰にでも起こる心の働きです。

そして、この瞬間から、お客様は本来持っていた「ご自身の目で、その都度判断する自由」を、構造的に失ってしまいます。「今日の施術が良かったから、また来よう」という、本来あるべき動機が、「もう払ったから来なければ」に置き換わってしまうのです。

CHAPTER 02

施術側にも、同じ問題が起こる

回数券の問題は、お客様側だけではありません。施術者側にも、同じくらい深刻な構造の変化を生みます

回数券を販売した時点で、施術者の手元には、すでに料金が入っています。次の施術も、その次の施術も、すでに「支払い済み」です。

このとき、施術者の中で何が起きるか。

意識していなくても、無意識のレベルで、こんな声が忍び込んでくる可能性があります。

「今日の施術は、いつもより少し疲れているけれど、もう支払いは済んでいる」 「今回はあまり効果が出ていないけれど、次の回でカバーすればいい」 「このお客様はあと8回残っているから、今日は無難にやろう」

私はこれを、施術者を批判する話として書いているのではありません。人間が、構造によって変わってしまう生き物だということを、書いています。回数券という構造の中に置かれれば、どんなに志の高い施術者でも、こうした声と無縁ではいられない可能性があるのです。

そして、施術者の中にこの声が忍び込んだ瞬間、1回1回の施術に込めるべき真剣さが、確実に薄まります。手を抜くつもりがなくても、手を抜く構造の中に身を置いてしまっているからです。

CHAPTER 03

ゆうき式が選んだ、もう一つの構造

ゆうき式は、この問題を構造そのものから外す選択をしました。回数券を販売しない。だからお客様は、毎回、ご自身の意思で「次も来るかどうか」を選べる

これは、私自身にとっても、極めて厳しい構造です。

ゆうき式では、お客様は、毎回の施術が終わった後、その日の変化をご自身の目で確認します。納得されれば、ご自身の意思でまた予約を取られます。納得されなければ、それきり来られません。

つまり、私が今日の施術で手を抜けば、明日には失客する——この構造の中で、私は11年やってきました。

これは経営上、決して楽な選択ではありません。回数券を販売すれば、月の売上は予測可能になり、経営は安定します。ゆうき式はそれを選びませんでした。代わりに、1回1回の施術が、毎回、お客様の評価にさらされるという構造の中に、自分を置き続けています。

なぜそうするのか——それは、この構造でなければ、私が自分の施術に込めたい真剣さを、保てないと思うからです。

CHAPTER 04

「自らにプレッシャーをかける」という意味

正直に申し上げます。回数券を販売しないという選択は、お客様のためだけにあるのではありません。自分自身に対する、施術者としての規律でもあります。

毎回の施術が、お客様にご自身の目で判断されるという構造。これは、施術者にとって、毎回が真剣勝負であることを意味します。今日の施術で手を抜けば、お客様は二度と来られない。それが明確に分かっている状態で、施術に臨みます。

このプレッシャーは、決して心地よいものではありません。けれど、このプレッシャーがあるからこそ、私は11年、自分の施術の質を保ち続けることができたと、はっきり言えます。

人間は、構造によって変わります。楽な構造に身を置けば、楽な仕事をしてしまう。厳しい構造に身を置けば、その厳しさに応えるために、自分を磨き続けることになります。

私は、楽な構造を選びませんでした。お客様にとっても、私自身にとっても、1回1回の施術が真剣勝負である構造を、選び続けてきました。

CHAPTER 05

「いい施術だから通いたくなる」という、たった一つの原則

ゆうき式が、施術というものについて持っている考え方は、極めてシンプルです。

いい施術をするから、お客様が通いたくなる。

契約で縛るから通うのではない。回数券があるから通わなければいけないのではない。ご自身の身体が、ご自身の目が、「また来たい」と判断したから、また来ていただく。

その一点で、私は11年やってきました。

この原則を貫くために、ゆうき式は次の3つを、最初から最後まで守り続けています。

i. 回数券販売をしない

お客様が毎回ご自身の意思で選べる構造を守るため。

ii. 無理な勧誘をしない

お客様の判断を、外圧で歪めないため。

iii. 完全予約制で1人ずつ向き合う

1回1回の施術に、私のもつベストを尽くすため。

この3つは、お互いに支え合っています。どれか一つでも崩れれば、「いい施術だから通いたくなる」という原則そのものが、揺らいでしまいます。だから、3つ全てを11年、守ってきました。

CHAPTER 06

お客様の判断主権を、お客様自身に返す

回数券を販売しないということは、別の角度から言えば、お客様の判断主権を、お客様ご自身にお返しするということです。

施術が良いか悪いか、続けたいか続けたくないか、自分に合っているか合っていないか——これらの判断は、本来、お客様ご自身のものです。施術者が契約で縛って、その判断の機会を奪うべきものではありません。

ゆうき式に来てくださる方には、毎回、こう感じていただきたいと思っています。

「今日の施術が良かったから、また来よう」 「今日の変化に納得したから、また予約しよう」 「合わないと感じたから、今回で終わりにしよう」

どの判断も、お客様のものです。私が口を挟むものではありません。私の役割は、その判断の材料となる確かな施術を、毎回、ベストの状態で提供することだけです。

これは、施術者として、お客様への最大の敬意の形だと、私は考えています。

CHAPTER 07

まとめ:選ばないことで、守れるもの

ゆうき式が回数券を販売しない理由を、もう一度整理します。

回数券を販売しないことで、お客様は——

毎回ご自身の意思で「次も来るかどうか」を選べます 「払ったから通わなきゃ」という義務感から自由でいられます ご自身の判断主権を、最初から最後まで保持できます

回数券を販売しないことで、私は——

毎回が真剣勝負であるという構造の中に、自分を置き続けられます 「次でカバーすればいい」という甘えから、構造的に切り離されます 1回1回の施術に、自分のもつベストを尽くす規律を、保ち続けられます

これは、誰かを批判する話ではありません。回数券販売を選んでいるサロンが間違っているという話でもありません。ゆうき式が、施術というものについて持っている考え方を貫くために、必要だった選択——それだけのことです。

「いい施術だから通いたくなる」——この一点で、私は11年やってきました。これからも、その姿勢は変わりません。

いい施術をするから、お客様が通いたくなる。契約で縛るから通うのではない。回数券があるから通わなければいけないのではない。ご自身の身体が、ご自身の目が、「また来たい」と判断したから、また来ていただく。——その一点で、私は11年やってきました。 — Yuki Taga, YUKISIKI